今回は関西の最高峰八経ヶ岳に登って来ました。関西最難関と言われる双門ルート。
弥山川沿いを行くこのルートでは、渡渉やゴロゴロと転がる大岩、数多くのはしごや不安定な橋など難しい要素がてんこ盛りですが、最高に透明度の高い川沿いをいける夏にぴったりのコースでもあります。
結論から言うとアクシデント(というか下調べ不足)があり、双門ルートの途中で引き返しました……!
その後は、金引尾根ルートと呼ばれる一般ルートで登って来ました。
この記事では、八経ヶ岳のコースやアクセスの紹介、そして今回の登山でなにがあったのかを中心に書いていくので是非最後まで読んでください
八経ヶ岳ってどんな山?
八経ヶ岳(はっきょうがたけ)は奈良県の天川村と上北山村の境に位置する標高1,915mの山で、関西の最高峰です。
八経ヶ岳を含む大峯山は日本百名山にも選ばれる名山であり、山頂付近にはトウヒ、シラベの原生林が広がり、7月初旬には天然記念物のオオヤマレンゲが咲き誇ります。
また、八経ヶ岳の他にもいくつかのピークがあり、それらをなだらかな稜線伝いに歩くことができ、非常に気持ちのいい山です。
今回のコース
今回は冒頭でも言った通り、双門ルートで登る予定でしたが途中で引き返して金引尾根ルートで登ることになりました。
なので、今回のコース紹介では金引尾根ルートの情報を載せていきます。(実際の所要時間も金引尾根ルート部分の所要時間です)
このルートでは金引尾根という尾根沿いに急な登りを越えて、日裏山・明星ヶ岳・八経ヶ岳・弥山とたくさんの山頂をつなぐなだらかな稜線を進みます。
稜線には先ほど書いたとおり、原生林が広がり、山歩きが好きな方ならきっと楽しめるコースとなっています。
一方で稜線にも木々が広がっているため眺望はそれほど良くなく、八経ヶ岳の山頂で開けたところがあるくらいです。
景色のいい稜線を歩きたいという方は要注意です。
今回のコースとはコースが変わってしまいますが、梅田駅から3時間程度で公共交通機関でもアクセス可能で、登山口付近に駐車スペースもあるので、アクセスは悪くはないといえると思います。(山奥なのでよくはないですが……)
また、総合的な難易度ですが個人的にはかなり高いと思います。
クライミングなどの特殊な技術は不要で、ただ歩くことができれば登ることができるコースですが、序盤の急登がかなりきついためある程度の体力が必要です。
さらに急登箇所の地面が粘土質で滑りやすくなっているので、山での歩き方が身についていないと必要以上に体力を削られてしまいます。
さらにさらにこの急登箇所の道がかなーり分かりにくいです。
登山道が不明瞭で目印も少ないため、登山道から外れてしまう方がめちゃめちゃ多いです。
急登では視線が下がり視野が狭まってしまう上に、体力や集中力が削れてしまうので、気づけば登山道から外れていたとなりがち。
しっかりルートを取れることと、ルートから外れてしまっても復帰する能力が必要になってきます。
チャレンジする時は、自分にこの能力があるかしっかり確認してから行きましょう。
| 標高 | 1,915m |
| 距離 | 17km |
| 標高差 | 1,450m |
| 標準コースタイム | 10時間 |
| 実際の所要時間 | 7時間30分 |
| アクセス | ★★☆☆☆ |
| 難易度 | ★★★★☆ |
アクセス
登山口の様子
登山口は下のストリートビューの画像の右側に見える橋の方向で、左の車が停まっているところが”熊渡登山口駐車場”です。


チェーンを越えていきます
橋を越えて少し歩くと登山届BOXがあります。
遭難した際に、登山届を出しているかどうかはで捜索の初動が大きく変わりますので必ず提出するようにしましょう。

さらに進んでいくと看板のある分岐があるので右側に進むと金引尾根ルートです。
ちなみに左に進むと双門ルートです。

車でのアクセス
車でアクセスする場合は”熊渡登山口駐車場”に車を止められると便利です。
登山口の目の前に車を停められるため、すぐに登山を開始出来て余計な時間をかけずに済みます。
ただし、ここは駐車場というよりも大きめの離合個所といった感じで、5台程度しか停められません。
なので、埋まってしまう前に早めに到着するようにしましょう。
僕は平日の6時半ごろ到着しましたが、1台だけ停まっている状態でした。
もし熊渡登山口駐車場が埋まってしまっていた場合は、徒歩で20分ほど下ったところに”みたらい渓谷・駐車場”があるのでそちらに駐車が可能です。
ただし、こちらは有料駐車場であることと、こちらも数が多くないので当てにしすぎないことが重要です。
公共交通機関でのアクセス
金引尾根ルートの登山口(熊渡登山口)からは遠いですが、川合登山口付近に”天川川合”のバス停があります。下市口駅からバスが出ているのでそこからアクセス可能です。
登ってみた!
そこそこ前にテントの買い替えをしたのですが、なんやかんやで使う機会がなく早く使いたいな~ということで1泊での登山計画を考えていました。
そこで今回白羽の矢が立ったのが八経ヶ岳の双門ルートです。
双門ルートは関西でも屈指の難易度を誇る登山ルートで、双門ルートを越えた先の狼平避難小屋まで7km程度ですが、コースタイムが8時間半ととんでもなく時間がかかります。
日帰りで気軽に行けるコースではないので、逆に今回の一泊前提の計画にちょうどいいということで、今回は八経ヶ岳に決定!
奈良県天川村へと向かいます。
6月中旬で昼間はもう汗ばむような気温ですが、山の早朝の気温は低く川沿いということもあり息が少し白くなるくらいでした。
今回、寝袋は置いて来たんですが大丈夫かな……?

登山届を出して林道をしばらく進んでいくと、金引尾根ルートと双門ルートの分岐が現れます。
この時はまたここに戻ってくることになろうとは思ってもいませんでした。

双門ルートは弥山川ルートとも言われ、その名の通り弥山川の川沿いを登っていくルートです。
序盤は水がほとんどないものの川であることが一目で分かるところを登っていきます。
基本的には川の砂利部分を登っていきますが、ところどころ土の道にそれるところも。
結構分かりにくいので、川の水が出てくるまでは砂利道を進んでしまって大丈夫ですよ。


大体赤テープが貼ってあります
10分ほど進むと川にとんでもなく綺麗な水が少しずつ出てきます。
綺麗な水を見ると触ってはしゃぎたくなるんですが、靴が濡れると滑りやすくなるので注意ですね。

川に水が出てくるとほどなくして、川上を進むルートから少し脇にそれて川沿いの道を進むルートになります。
歩きにくいところには橋などをかけてくれているのですが、崩落しているところも多くかなり危険です。
危ないと判断したら無理せずに巻道を探しましょう。
崩落した橋や鎖場をいくつか越えていくと、いくつ目かの崩落した橋に遭遇。
今までと同じように巻道を探しますが、付近に巻道らしきものが見当たりません……!
一応川まで一旦降りて登ってくることはできそうですがどうしようか……。
数分悩みましたが、今回は無理せず断念する方向で判断しました。
以前、双門ルートを歩いた時の記憶よりもはるかに登山道が崩れていますし、この先もっと進んだところで進行不能になる可能性もあります。
ソロ登山なので、何かあった時に助けてくれる仲間もいないということで、悔しいですが今回は撤退……!
ちなみに帰ってから調べたところ、ここにも巻道があったそうです。
事前にもっと下調べしておけばよかったな~

今回はここでリタイア……!
登頂を諦め、引き返していると男性二人組のパーティーが登って来ました。
一応、崩落していることを伝えて下山していきます。その後、どんな判断をされたか分かりませんが事故の報道などなかったので特に問題はなかったのだと思います。
引き返すことになり、時間を持て余すなぁということで、川遊びに興じることに。
といっても川に足をつけたりしてのんびりするだけですが。
テントの中でつまむ予定だったお菓子も開けて、ちょっとしたピクニック気分です。
ほとんど人の来ない山奥の清流でのんびりできる。それだけでも幸せかも……


川遊びも終えて、金引尾根との分岐まで戻ってきました。
この時点ではもう帰る気満々でしたが、時刻はまだ8:40。
地図を見ると金引尾根ルートで狼平避難小屋までは3時間半程度。今からでも余裕で登れてしまいます。
なんなら山頂を周遊して登山口まで戻るルートでも8時間半と射程圏内。
途中でテントを張れるところもあるので、ペースが思わしくなければ1泊も可能。
これはいくしかないでしょう!

今度は右の金引尾根ルートだ!
金引尾根ルートでは植林されたであろう杉林を進んでいきますが、あまりに道が分かりにくい……!
あと斜度がきつい!しかも粘土質で滑る!
めちゃくちゃに体力を削られます。
幸い尾根で地形が把握しやすいので、少し進むたびに地図を見て大きく登山道から外れていないことを確認しながら進んでいきます。

金引尾根を抜けると途端になだらかな道になり、生えている木も植林されたものから原生林に変わります。
ここからはずっと緩やかな道で完全にハイキング状態。道もかなり分かりやすくなりました。
日裏山・明星ヶ岳・八経ヶ岳・弥山を回る稜線は眺望はあまりありませんでしたが、低山とは植生が明らかに違い新鮮で楽しかったです。
ある程度高度があるので、気温も低く気持ちよく歩かせてもらいました


八経ヶ岳の山頂は急に木がなくなり、紀伊半島の山々を見渡すことができます。
紀伊半島は山が一面に広がっていて、信州の山や九州の山の景色とはまた違った魅力がありますよね。


ここから弥山の方向に歩いていきますが、八経ヶ岳の方が高いためここからは基本的に下りです。
正直、最初の急登でかなり足が疲れていたので、踏み外したりしたりしないように慎重に下っていきます。
八経ヶ岳から弥山の間にはいくつもの獣害対策の柵が張られていました。
天然記念物のオオヤマレンゲを保護するためのもので、登山道からはみ出して歩かないように注意書きもありました。


どんどんと下っていき弥山小屋に到着。
小屋の前にはテントを張るスペースもあるので、ここで一泊してもいいのですが、この時点でまだお昼過ぎ。
狼平避難小屋も通るのでいったんそこまでは降りることに。

狼平避難小屋までの道は木製の階段が整備されていて非常に歩きやすかったです。
ただ、雨などで濡れているとかなり滑りそうな質感だったので、注意しましょう。

弥山小屋から一時間足らずで狼平避難小屋に到着。
テントを張るならここが最後のポイントです。
時刻は13時。登山口までのコースタイムは3時間ほどです。
普段はコースタイムの6割程度の時間で進めるので、15時には登山口に到着できそうですが、ここまで6時間以上テント泊装備を担いで歩いており、かなり疲労もきています。
しかし、こんな時間からテントを張って行動終了するのもな……という思いもあり下山することに。
(そもそも、テントを使いたくてここに来たんじゃなかったっけ……?)
当初の目的を忘れ、出番をなくしただの重りとなったテントを担いだまま下山します。




下ると決めたからには歩くしかありません。1泊分の装備があるとはいえ夕方になる前に下りきってしまいたいところ。
疲労した足をなんとか動かし下っていきます。
狼平から下山するルートは再び金引尾根ルートです。
下りでも相変わらず道が分かりにくい!
踏み固められた道がなく、急なことも相まって何度も足を滑らせてしまいました……。

ひいこら言いながらなんとか下山。登山口についたのは15時半とほぼコースタイム通りのペースでした。
行動時間は9時間弱と長く、後半はかなりペースダウンしてしまいました。
学生の時に比べて体力の衰えを感じるので、なんとか維持していきたいところ……
そういう気付きを与えてくれただけでも良しとしましょう。
今度こそはテントを使ってあげたい!
八経ヶ岳の魅力
八経ヶ岳の魅力は、山頂付近の稜線歩きでしょう。
高山特有の植生のなだらかな稜線を歩くのは、とても気持ちがよかったです。
また、標高があるので夏でも少しは涼しく歩きやすいのも魅力の一つですね。
個人的にもっと気に入っているところは川の水がめちゃくちゃ綺麗なことです。
双門ルートを行かない限りは、狼平の沢に少し触れるだけしかできませんが、透明度が高く、水温も低いため暑い夏には最高の場所になると思います。
体力に自信がない方は山頂を目指さなくとも、狼平で1泊して沢に触れるという遊び方でもいいかもしれませんね。
まとめ
今回は関西の最高峰八経ヶ岳に行ってきました。
下調べ不足で双門ルートは途中リタイアとなりましたが、久々に長時間の登山ができて非常に楽しかったです。
山の中を歩くことが好きな方であればきっと好きになれる山だと思いますので、この夏登る山の候補にいかがですか?



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